その翌日のカーネーション

咀嚼できない…と異物を残したままに翌日の『カーネーション』を見たら、奇跡のファッションショーにそんなことどうでもよくなって泣かされてしまった。辰巳?郎のよいお仕事。あとこの週は、婦長さんの主張や仕事をきちんと尊重して描いているところがすごくいいなあと思って、こういうところにこのドラマの素敵さが光るなあと思う。次週予告に入院中の糸子、病室に泊まり込む三姉妹の姿が映る。ああ、このドラマはここまで描くのだなあと、「人の人生を描く」ことに対しての腹の据わり具合に改めて感動せざるを得ないなあと思う。
サンローランまでが引退をし、年老い生き抜いてゆくということは厳しく孤独だな。ちょっと前に同じ脚本家、原田芳郎、おのまちこ主演の『火の魚』を見たけど、どちらのドラマも、豊かに愛情や才能やなにやかに彩られてはいても、結局は、孤独と向き合うというのはどういうことなのかを描いているのだなと思い、なにかを描くと言うこと、表現とは、孤独を描くことと同じ意味なのかなと思う。

赤ちゃんが生まれてくるとき、お母さんは死ぬほどの苦しみを味わうというけれども、それと同じく、死んでゆくのもまた苦しいことなのだ、産みの苦しみと同じように苦しい、それが当たり前なのだとしみじみと考え、怖がってたってしょうがないのだな…と思ってしまった。



前田敦子ちゃんの卒業報道にびっくり。昨年の総選挙以来、彼女の存在感にひっかかるものを感じ(魅力を感じるという意味で)、なんとなくではあるけれども目で追っていた。あんなにも逃げ場がない人はいないと感じ胸が痛くなる思いでもあったので、今回の卒業がどういった流れで決まったものかはよくわからないけれども、やめることで彼女が彼女の人生を手に入れる…という表現が適切かどうかちょっとしっくりこないけれども…ことができるといいなと思う。
芸能人としての今後は、客観的に見て今の時点で展望が開けているとは想像し難いけれども……AKBという母体の中で光る存在感、美しさという側面は大きかったと思うので……でもまだ20歳、まだまだこれからなのだもの。独特な雰囲気があるし、彼女らしい居場所を見つけてほしいなと思う。