「IZO」の森田君を見て思ったこと

そもそも私は舞台というもの自体を見慣れていないし、この「IZO」というお芝居を生で鑑賞したわけでもないので、DVDで見ただけでは感じ取れないことだらけだとは思うのですが、見ている間、森田君の演技がどうとかってのはなんにも頭に浮かばなくて、見終わってからもなにも、ただ、以蔵さんがそこにいたことを思うだけで。頭の中で反芻してみれば、痩せた身体、ときおりのぞく細い脛や腕、ふりしぼるような声(ちょっとつぶれ気味ですかね?)が、哀しくて、小さくて小さくて。
胸が痛い。

こんな役をやって、しかも舞台って毎日のようにこの岡田以蔵の生をなぞる作業を何度も何度も繰り返すわけだから、そのあいだ森田君は辛くなかったのかなあ。と、考えながら、でもふと思いだしたのは、この前動画サイトで見たばかりの少年倶楽部プレミアムでのトークで、森田君が「舞台にいる間がいちばん自分を解放できて幸せだ」と言っていたことです。
ああ、そうか、自分を解放できるのだなあ…
森田君のなかにも、確かに、小さくて醜くて純な魂を抱えた岡田以蔵がいて、それは、彼自身辛かったり苦しかったりする、触れたくないものとして普段抱えているのかもしれない。だけど舞台の上ではそれを解放できるということなのかなあ…。解放するまでは苦難の道のりと思う。でも吐き出すことができたなら、そのときは確かに、普通では味わえないような多幸感を得ることができるなのかもしれないなあ。
俳優さんのお仕事って、作品と観客に対しての、深い深い献身なのだなあとしみじみ思いました。


…うろ覚えなので、森田君の発言、間違ってるかも?いちばん自分を解放できると言ってたのは確かだけど、しあわせとまでは言ってなかったでしょうか……あ、あと、テレビではガリガリに見える戸田恵理香ちゃんが、森田君の隣に並ぶといくぶんふっくら見えた(数年前の姿とはいえ)!