『人間仮免中』

コミックエッセイです。

アマゾンを見ると、
夫の借金と自殺、自身の病気と自殺未遂、AV女優他様々な職業… 波乱に満ちた人生を送ってきた著者が36歳にして出会い恋をした、25歳年上のボビー。(中略) 年の差、過去、統合失調症、顔面崩壊、失明…… すべてを乗り越え愛し合うふたりの日々をユーモラスに描いた、感動のコミックエッセイ!
という紹介文が掲載されているのですが、そして大まかに言えばそんな内容の本ではあるのですが、いや、すごいなこれ。


「生きていることの素晴しさ」を教えてくれる漫画だとは思うのです。でもそれよりも、作者の卯月妙子さんのおこす行動の衝動の源は何なんだろう?とその疑問で頭がいっぱいになり、そういう意味でとても圧倒されました。生きている意味を知りたくて知りたくてどうしようもない、好奇心が源なのかな?いや、統合失調症なのだから、本人の意思ではどうにもならないのかもしれないけれど…とはいえ、でもやっぱり、生について知りたくて知りたくてどうしようもない、ものすごくものすごく、尋常じゃないほどになにかを渇望する心がそこにあるんじゃないのかな。
こういうひとのおかげで(文学や芸術を通して)、普通は味わうことができない境地を垣間みさせてもらえるのだなあとは思うのです。