ホールドアップダウン

映画「ホールドアップダウン」を観に行ってきました。
映画のことはよくわからないんだけど、SABU監督という人は、生身の身体とそれからストーリーそのものも素材として使ってギャグ…というか笑いを作りだす人なんだと思った。それは確かに独特の、新しい表現なのかもしれないなあ。
ジャニーズの人たちなんてとても身体能力の優れている人たちなのだろうから、SABU監督とはもとから相性がいいのかも、V6じゃなかったとしても。
だけどこれは絶対、なにも知らずにまっさらな状態で見にいくほうが楽しめる映画だろうと思った。私は、Orangeのプロモーションビデオなどで軽くネタバレを見てしまっていたから(それでも面白かったけど)そんな意味では残念だった。


それにしても岡田准一君は変でよかった!
私はこの映画の岡田君が(フライダディフライはまだ見てないけど)、今まで見た中ではベストアクトだと思った。末っ子長男など見て、実は岡田君はコメディはどうなんだろう?と疑問に思っていたのだけれど、いやいや、この映画の中では、岡田くんのもつ妙な部分がぎゅっと濃縮されてデフォルメされて、とても魅力的な面白いことになっていた。岡田君のあの存在感があってこそ、この映画はがきゅーっとしまったものになったのだと思う。前作ハードラックヒーローのタイのボクシングのシーンでの、リング入りの妙な踊りを見てもそう思ったんだけど、SABU監督は岡田君の、意外な、そして独特に面白い一面をうまくとらえて役を設定してくれているなあと思う。そして岡田君はそれによくこたえていると思う。


岡田君以外の5人も適材適所で、それぞれのもつ魅力がうまく引き出されているなあと、それは見ていて本当に嬉しくなった。
いのっちは、ラブラブな演技が最高にうざかった!それが良かった。
三宅健君は、彼が一番普通の人の役をやっていたんだけど、最初から最後までとてつもなく可愛らしかった。一緒に見ていたYも、「三宅君は可愛いなあ〜」と感心していた。
森田剛君は、おそらくSABU監督に全幅の信頼を置かれているのだろうなあ。ホテルのバーカウンターに座るシーンでは、(前に伊武雅刀がいるとはいえ)ほとんど一人芝居とも言えるような演技をこなしている。あのあたり、ちょっとハラハラした。
ちなみに、森田くんの台詞を言うときのリズムというか、メロディみたいなものが私はとても好きで、聴いていると気持ちいいってことを、いつも思ってはいたんだけど、今回実感した。この映画でいえば「銀遊楼別館!」って叫ぶ台詞の、「べっかん」ていうところとか。
それから、坂本昌行さんは、衣装が激しく似合っていた。白いシャツに黒いズボン。腕にピストルをまきつけているところもとてもいい。あんなの似合う人、そんなにたくさんはいないだろうと思う。