少年倶楽部プレミアム

国分君によるインタビューの中で、森田君が「今後やっていきたいこと」として「お芝居」をあげていました。
そう思ったきっかけはドラマ「君を見上げて」へ出演したことだと言い、「必要とされたことが嬉しかった」と語っていたことに、ちょっとびっくりしました。
確かに、「君を見上げて」は森田君の持っている『なにか美しいもの』が描き出された作品だと思い、そんな意味でとてもいいドラマ・・・というか、他とは違う、意味の深いドラマだったとは思うのです。
だけど、しかし、それ以前には、森田君はドラマにおいて「必要とされている」と実感したことがなかったんだなあと、そのことにちょっとびっくりしました。
君を見上げて」以前の森田君の出演作のうち、私がきちんと(最初から最後まで)見たことがあるのは「PU-PU-PU」、それから「嫁はミツボシ」(あ、あと「Vの炎」があった!)です。どちらも望まれて出演したものだろうし、その中で森田君はとても魅力的に役を演じていたとも思います。
でも確かに、これらの作品は、森田剛その人をドラマが必要としていたというよりは、「人気アイドルであるV6の森田」を必要としていたのだけなのかもしれない。(たとえ企画そのものが『森田ありき』で決まったものだったとしても)
そういう必要とされ方は、やっぱり実体のあるものとして森田君には感じられなかったのかもしれないなあ。
デビューしてからずっと人気者で、でも「君を見上げて」に出会うまでの長い時間は、少なくともお芝居においては、そこに自分の居場所を見つけることができなかったんだなあ。

君を見上げて」に関しての発言は、ちょっとだけ、森田君の口から語られた孤独についての話なのかもしれない、と思いました。

アイドル性とか、フェロモンとか、容姿の美しさとか、そういった、本人の努力ではどうにもならないものでばかり測られる(しかも思春期のとても不安定な時期に)アイドルという職業は、とても苛酷なものだなあと思います。
いくら声援を送られても、それを実体のあるものとしてずっと感じ続けることって、難しいことなんだろうなという気がします。