「クライマーズ・ハイ」 長野君の誕生日

クライマーズ・ハイ」が再放送されました。
ちょっと前に原作を読んでいて、昨年NHKでドラマ化されていたことをあとから知り、うわ、残念!見たかった〜と、見ることを熱望していた作品でした。
20年前の日航機事故時の、地元新聞社の記者たちをめぐるドラマです。
NHKらしい骨太なつくりの男臭いドラマに仕上がっており(まあ、原作もそんな感じですからね)、たいへん見ごたえがありました。
「新聞記者とは」とか「記者の意地」とか「新聞紙が作りたいんじゃない。新聞が作りたいのだ」とか、そんな熱いセリフの飛びかう・・・ドラマのある一面だけを切り取ってひとことで言ってしまえば、つまり『男のプライド』にまつわるドラマです。
非常に醒めた目で見れば「新聞記者がなんぼのものなのだ」とか、「そんなつまんないこと考え込んでいても、お腹のたしにはならないよう」とか、「誰もそんなこと気にしちゃいないのに」みたいなところでお話は動いていくわけですが、しかし結局は、そのお腹のたしにもなににもならないプライドがなければ、やっぱり仕事って成り立たないのですよね。プライドがあるからこそ、いいものが作りたいと願うし、美しく生きようと自分を律することができるわけだもの。
とはいえ、仕事をしながら・・・特に会社勤めをしながらプライドを守っていくことは、時として非常に困難に思うこともあるわけで、もしかしたら今の大人は、自分の仕事に対するプライドを、こどもたちの世代に伝えることができなくなってしまっているのかもしれないなあ・・・なんて考えたりもしつつ、ドラマはそのへんのことも達者な描写でえぐっていくのですが。
主人公は、いいことも悪いことも、清濁あわせ飲みながら新聞社に勤め続けることを選び、やがて歳をとっていきますが、それもまた、彼なりのプライドなのです。
高橋一生君が出ていました。こういったどろどろとした社会派の作品の中において、高橋君たたずまいは、清涼な存在感を放ちます。そういえば映画「半落ち」でも、そんな役どころでした。
高橋君の良さのひとつは・・・・その、整っているわりには、どうも印象が地味な容姿も多分に影響していると思うんだけど・・・・どんなドラマにも空気のように馴染むところだと思います。「クライマーズ・ハイ」のような硬派な作品にも、「吾輩は主婦である」のようなホームドラマにも、はたまた「怪奇大家族」のような作品にも、高橋君てひとは、どこにいても不思議じゃないような空気をまとって出現するんですよね。
ジャニーズのタレントさんでは、ちょっとやっぱり、なかなかそんなふうにはいかない感じです。


さてさて、長野博君の誕生日です。
グルメ番組で、長野君がちょっと胡散臭くて蘊蓄あるコメントを嬉々として発する姿を見るのは、私にとってたいへんな喜びです。
奇しくもこんな折にブイロクのグルメ番組が悪いことで話題になってしまいましたが・・・・今後も長野君が嬉しそうに食べる姿をテレビで見せていってくれることを祈るし、長野君のグルメアイドルぶりが(彼の画策通りに?)少しずつ、しかし確実に世の中に浸透していくことを祈っています。