トニセンの新曲

トニセンの新曲、まだ聴いていないけど、楽しみにしているんです。トータスさんが書いてくれたんでしょ。「オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ」ってタイトルも、「トニセン的ディスコファンク」って謳い文句も、全体的になんとなく漂うやけっぱち感とか垢抜け無さとか、すごいいいじゃない!と思って期待しているんです。トニセンとほどよくマッチして、ほどよく化学反応をおこしてくれそうなわくわく感があると思います。
・・・・・しかしCDジャケットを見たのですが・・・V6のパケージ関係のデザインて、おしなべて・・・もうちょっと可愛くしちゃってもいいと思うんだけどな。でも、今回のこれに関して言えば、ロゴはとても可愛いですね。



鑑賞メモ
小川洋子博士の愛した数式
今更のように読んでみました。この小説がそれほどヒットした理由は何なんだろう?と考えながら読んでいたのですが。
読み易いし、とてもよくできた美しいお話だと思うんだけど。でもそれ以上に重要なのは、数字の素晴らしさを、とてもわかりやすく普通のひとたちにかいま見せてくれたことなんだろうな。絶対的に美しいものの前では、下手な創作なんて意味がない、というか、それ(自分の創作)よりもっと優先させたいことが、小川洋子さんにはあったのだろう。
なんでも、根っこのところでは繋がっているんだなと、たまに気がつくそんなことを、この小説を読みながら何度も繰り返し思った。
私が好きな日本画家の小倉遊亀さんは、師である前田青邨に「葉っぱ一枚を描くことができれば宇宙のすべてを描くことができる」と言われたそうなのだけれども。
その葉っぱも、やはり数の規則性によって秩序正しく生まれているんですよね。例えば、花びらの数が必ず同じであるように。

「空腹を抱え、事務所の床を磨きながら、ルートの心配ばかりしている私には、博士が言うところの、永遠に正しい真実の存在が必要だった。」
永遠に正しい真実というのが、この世にはある。それは、とてもとても身近なところに宿っているんだと思う。


安房直子「うさぎ屋のひみつ」
安房直子さんの童話には、女のひとの生理的な嫌らしさとか意地悪さが、本当に上手に、隠し味のスパイスのようにきいているなあと思います。たいする男のひとの描かれ方の、なんとおおらかなことよ。
この短編集には南塚直子さんのとても美しい銅版画(?たぶん)が添えられているのですが、南塚さんの描く少女の瞳の真摯な輝き、ある種の痛々しさ、それが安房直子さんの世界に本当によく寄り添っていて、このふたりの組み合わせは、とても好き。


横山大観展
国立新美術館にて。改めてこうして見ると、ものごとを正面から受け止めて昇華してゆくひとの絵なんだと思う。さいごの一筆まで、その匙加減はバランス感覚を失わないというか、個人的な思いに溺れない強さがある。それが、いつまでたっても古びない、モダンさを醸し出しているんじゃないかなと思った。同行の人は、「大観はきっと、女にもてなかったに違いない」と分析していたけれども、ああ、なんとなく、言ってることはわかるような気がした。女性よりももっと大事なことに興味があったんだろうなあ・・・。なんとなく、「博士の愛した数式」に繋がるものがある。