アリエッティ

おかだくんについての興味が一段落してしまい、このブログに書くことがなにもなくなってしまったと感じるようになりました。ブログを頻繁に更新していた頃は、おかだくんをものごとの基準に考えて文章を書いていたような気がする。
そうでなくなってしまい、それはわたしにとってとても寂しいことだったんだけど、でも気分的にはとてもラクになった。(・・・ラクになったと感じるほど、かつては一体、何にしばられていたのか)
ここは本当は閉じるべきかなあと思っていたのですけれども、たまに、駄文をアップする場があるのは嬉しいことだなと思い、くだらないことをぽつぽつと書いていきたいと思います。また最近、ちょっとずつなにか書きたい気持ちがたまっている。

・・・というふうに書いたけれども、おかだくんについてまたいつか熱心に考えたいと思う希望は山ほどある。




今更ながらアリエッティを見てきました。

小さなひとたちが住む世界に心を奪われました。
人間が使うもの(借りてきたもの)をうまく工夫しながら住む家の様子、低い視点から見た夏の草や花々、虫や鳥たちとの距離感。ポットからお茶をそそぐひとしずくの大きさや、つくろいものの縫い目の大きさ、壁にかけられた切手の絵。お父さんの部屋は、一瞬しか映らなかったからあまりよく確認できなかったのだけれども、人間が使うはさみやセメダインのようなチューブが置いてあって、それでなにか作業をしているらしく、その描写がぐっときた。ああ、こんな映画を少女の頃に見たら、もうたまらなかったろうなあ。借りに行く描写が素晴らしくって(お父さんのかっこよさ!)、前半で、我ながら意味がよくわからないけど泣きそうになりました。

夏の庭がとても美しかった。

仕事でいただいた雑誌を整理していたらアリエッティの特集をしたものが見つかり、読み込んでしまった。映画の中では、街と自然がとけあっている様子が美しく描写されていて、それがどこか懐かしく(特に冒頭のほうでちらりと映る、街を流れる川のある風景とか)、でもそう感じるのは、それが日本のどこにでもある身近な、住宅街の平均的な風景であるからなんだろうと思いながら見ていたのだけれども。しかしあの舞台は、東京小金井市の野川のあたりをモデルにしたとのことを知り、小金井は学生時代から馴染みのある土地だし、つい先日野川のあたりに仕事で行ったばかりだったので、もしかしたら、わたしが特別に感情移入している点があるのかもと思った。

ストーリーについては、評判どおり腑に落ちない点がいろいろあったけれども、あの映画は、あの世界観を表現してくれただけで十分なような気がした。というか、それをもっとつきつめてくれてもよかったのにと思う。そこから伝えられること(・・・なんていうか・・・ジブリ的なメッセージっていうか・・・)だって、なにも無理矢理なストーリーをくっつけなくても、いろいろあるだろうなと思う、というか、それを見せてほしかった。というよりも、それを見たかった。

樹木希林演じるお手伝いさんの描写が、とにかく怖かったなあ。あんなに怖い必要があったんだろうか。現実って、あんなもんだよと言われればそうなのかもしれないけれども。あと、お母さんがあまり魅力的じゃなかったのが、どうしてなのかな、と思う。造形からして、主人公のお母さんのキャラの顔じゃないように思ったのだけれども。