南桂子生誕100年記念展

南桂子生誕100年記念展 きのう小鳥にきいたこと」
ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションにて。


ため息のような、「フウ」って、そのひといきのような小さなこと、でもどうしようもなく大切なこと。
それを伝えるのに、たくさんの時間や技術を費やしている絵だなあと思う。

一本一本の線が、緻密で冷静。
それはたぶん、エッチングという画法のもつ必然なのかなあとも想像するんだけど。
線をひき、それがプリントされて紙に刻まれるまでの、時間と、労力とが、単にペンや鉛筆でひいた線では表現しきれない情熱を、そこに封じ込めている感じがするんだなあ。


暗さや神経質さや情熱を、すこしのユーモアと色の美しさに託して表現することで、なにかのバランスをとっているような・・・・そうすることで世界を生き抜こうとする、強い意思を持った人だったのではないかと感じました。