あさイチに松ちゃん

友達から「ダウンタウンの松ちゃんのことが好きだと前に言ってたけど、映画は見た?おすすめ?」と聞かれた。
難しい質問だなあ。


1作目は、単純に、面白かった。
松ちゃんは、やさしい人だなあと思った。
松ちゃんは、生きていくってことを、こんな風に捉えているのだなあと。


でも、最後にあるどんでん返し的なもののおかげで、映画そのものの印象が全く変わってしまう作りになっていて、そのやり方が、私は好きじゃない。どんでん返しが嫌いなわけじゃなくて、この映画におけるそのやり方が、あまり好きになれない。と思った。
映画という枠組みの中でのなにかに、正面からぶつかることを松ちゃんは避けたんじゃないのかなと、単純に感じてしまった。単純すぎる、あるいは頭が固いのかもしれないけど。


とはいえ、その、不器用と言ってもいいような話のまとめ具合が、この映画の魅力のような気もするし・・・なんかでこぼこしていて。
そういったいろいろなもやもやを含めて、好きな・・・憎めない・・・ある意味とても面白い映画だなと思った。



二作目は、一作目ほどには、単純に面白いと思うことはできなかったんだけど、事前にインタビューなんかを見てしまって、それを踏まえてから見たので、「ああ、受け入れてもらいやすくするために努力したのだろうな」とか考えてしまい、その点が余計に楽しめた。
一作目を経て、松ちゃんが出したこたえが二作目になったんだなあと思って。


なんてことを考えていたら、あさイチに松ちゃんが出ていて、新しい映画のこと、今まで作ってきた映画のこと、家庭のことなんかを語っていた。
うん。確かに、一作目のあの内容を考えると、こどもができたからこそ描ける物語がたしかにあるんだろうなあと、期待させられた!


それにしても
「海外では高い評価を受けているのに日本では・・・」
「もしこの映画を全くの新人監督が作ったとしたら、もっと『すごい』と話題になったと思う。でも、どうしてもダウンタウンの松本というフィルターを通して見られてしまうから・・・」
云々とだいぶ長いことぼやいておられた。
こどもか。
いや、こうして朝からNHKで素直な心境を、笑いに変換しながら誤摩化し誤摩化し語ろうとしている時点で、松ちゃん的にはじゅうぶん大人ってことなのかな。


確かに、ダウンタウンの松本というフィルターが映画の正当な評価を避けさせる面もあるのかも?私自身、自分の目にもフィルターかかってるんだろうなと思うし。
でも一方で、新人監督があれをやろうとしても、きっと企画が通らないのじゃないかしら。あれは、お笑い芸人であるダウンタウンの松本だからこそ許される映画の作り方ではないだろうか。松ちゃんの言うことは甘えているんじゃないかなあ・・・


と思いかけたけれども。いやいや、でも、そうじゃないよな。比較的自由な環境で映画作りをする立場にある人が映画を作る必要性はあるし、そういう人にじゃなければ作ることができないものがある。はず。


松ちゃんには、自分の中の誠実さのハードルと世間のハードルの間のバランスをとりながら、まだまだ頑張ってほしい。