初恋のきた道

名作ですが『初恋のきた道』を、先日初めて見ました。よかった!チャン・ツィイー の、なんと可愛らしいこと、美しいこと。


チャン・ツィイーの服装、東京の町なかをこの色彩感覚のひとが歩いていたらちょっと変わったふうに見えてしまうのではないかしら。
鮮やかなピンクの上着と深紅の首巻き、明るい緑色のリボン。
でも、とにかく広い、画面からも土の匂いのするような落ち着いた自然の色の中では、彼女の鮮やかすぎる色彩が、本当に綺麗にひきたって、美しくて愛らしくて。ただ立っているだけで素敵だった。(ファッションのTPOって、風土によっても全然違うんだなと思った)


チャン・ツィイーは、当時まだ10代だったようだけれども。このこがいなければ、この映画は成り立たなかったんだろう。どんな映画も物語も、どこか一点にほんとうのほんとうがあればいいのだと思うのだけれども。この映画を撮るにあたって、監督は、彼女の美しさ強さに恋していたのだろうなあ、その想いこそが、「初恋のきた道 」という映画のまじりっけの無いほんとうなんだろうと思った。それを映画というかたちにして残したいという、純粋な創作意欲を感じる映画だなあと思った。純粋に作りたくて作られた、幸福な映画なんだろうなあ、と。
制作者のその想いが、チャン・ツィイー演じる少女の恋する想いとシンクロし、見ていて心を打たれたのだと思う。


それで、まだ幼さが残ってあどけないようでもあるのに、大の大人のその想いを受けとめきることができるチャン・ツィイーのような女の子が、この世に存在するんだなあって、その事実にも感動した。


美しいこと、可愛いことって、それだけでもう本当に、絶対的な正義だなあと思う。