ゴールデンスランバー

森田君、大河ドラマに出るんだなんて、なんて素晴らしい。
これは、なんていうか、絶対の安心感をもって楽しみだ!



ところで、「わたしを離さないで」の表紙にはカセットテープの絵が描かれています。本文中にとても重要なアイテムとしてカセットテープが登場するからです。


ラジオを聞いていたら、今の子どもたちはラジカセを知らないのだというお便りが読まれました。それを受けて、別のリスナーから「今ニューヨークの若い子たちの間では、カセットテープってクールだよね!って言われはじめているらしい」とのメールがきました。レコードがちょっとお洒落なアイテムとして捉えられるようになったのと同じように、日本でもそのうち、カセットテープが素敵って時代がくるのかもと話題は締めくくられていたのだけれども。ああ、ほんとう。きっと、そういう時代、もうすぐ来るのかもなあ。


カセットテープというものが、私は昔から好きで、それは、声や音を通して語られる過去の空間、本来ならけして、目で見たり、ましてや触ったりすることができないはずのものが、1本のテープという『形』を持ってしまっている…という構造に、なんだかものすごく心惹かれてしまうからなのだけれども。無くしたはずのものがすごく小さくコンパクトにまとまっていて、触れることができて、しかもくるくる巻かれていたりして、雑に扱うとからまって千切れてしまったりもして、それってなんてチャーミングなんだろうなあと。



先日テレビで映画『ゴールデン・スランバー』を見た。すごく面白くて、だけどこれって、男の人の描く友情のお話だなあと、「ふんふん」とすこし距離を置きながら見ていたのだけれども、空き地に放置されたカローラが出てきたところで、このカローラは、カセットテープ的なものとして劇中に登場するなあと、心を惹かれてしまった。過ぎてしまった青春、懐かしい友情や恋愛とか、なんかそんなものが、黄色いカローラとなって放置されているんだなあと。でもこの車、触って、乗ることができるだけじゃなく、バッテリーの交換さえすれば、まだ動くんだよ。このレトリック、なんてチャーミングなのでしょう。


ばんばん話が転がっていくのがとても気持ちよい映画だった!どの役者さんも魅力的だなあ。堺雅人、好き。インテルのCMで印象的な濱田岳君が活躍していた。吉岡秀隆は、なんだか見てたら、このひとってすごくすごくモテる人なんだろうなと思っちゃった。なんとなく。