宮崎あおいちゃん

寝る前にちょっと、と思ってテレビを付けたら映画『NANA』をやっていて、終わりまで見てしまいました。
これ確かパート2では、宮崎あおいちゃんは降板してしまったのですよね?どうしてなんだろう。ハチが宮崎あおいちゃんじゃない『NANA』って、ちょっと想像がつかない。と思うくらい、『NANA』は宮崎あおいちゃんの映画だなあと思いました。同じ主役級だけど、まだ中島美嘉ちゃんが誰か別のひとと交替したと言われたほうが、受け入れやすかったかもしれない(いや、中島美嘉ちゃんも替えのきかないすばらしい存在感なんだけれども。しかもびっくりするほどの少女漫画体型!)。


この役、宮崎あおいちゃんはちょっと楽しんで演じていたんじゃないかなあと私は思ってしまいました。ハチみたいな女の子、彼女のこどもっぽさ、マイナスな意味での女っぽさを、宮崎あおいちゃんはちょっと馬鹿にしているんじゃないのかなというか、いや馬鹿にしているとまでは言わないけれども、宮崎あおいちゃんのハチという女の子に対する偽りのない評価が、演じ方に現れているように感じられました。皮肉がきいていて小気味よく感じられ、ああ、宮崎あおいちゃんて、頭のいい人なんだなあとか、自分の中にある意地の悪さとか醜い部分を、きちんと目をそらさずに観察することができるだけの心の強さを持っている人なんだなあとか、それを踏まえた上で、余裕を持って飄々と軽々と演じているように見えたから、きっと本人楽しく演じているんだろうなあ…と思いながら見てしまったのだけれども…実際は嫌だったのかしら。


今や彼女は大女優さんだから、作品を選ぶ立場にあるのだと思うのだけれども。でもこれだけ多くの作品に主演として出ていると、「ああ、こういう感じなんだなあ」というか、…その…いかにも宮崎あおいちゃんが出そうな映画に出るのだなあというか、「ああ、またか」みたいな気持ちになってしまいがちというか…そんなふうに思うの、なんて無責任で思慮のない視聴者なのかな自分は、と思うけれども。でも、こういう、馬鹿で俗っぽい宮崎あおいちゃん、もっと見てみたいなあと思った。