日比谷公会堂

あがた森魚のライブ、というかコンサートに行った。どうしても仕事が詰まっていて、もう行けないかも、あきらめるべきかも、いや、やっぱり行こう!とひやひやしながら電車に飛び乗ったのが16時過ぎ。17時からの開演に間に合わなかったけれども、ほぼ全曲聴けた。(でも、遅れて着席してしまった…)

なんとなく個人的にいろいろあって、あがたさんのコンサートからは足が遠のいていて、何年ぶりか思い出せないくらい久しぶりだったのだけれども、久しぶりに見るあがたさんは見た目は確実に歳をとっていてもう「おじいちゃん」みたいな感じだったけど(いや、おじいちゃんぽいのは昔からか)、歌声もパフォーマンスも変わらずに力強く圧倒的で、なんだかもう、何に心をつかまれたのだかわからない、わけがわからなくなってしまうくらい、郷愁と切なさと多幸感と、ないまぜになった感情で、ほとんど泣きそうだった。
(あ、でも、マイクを持つ手が静止しないような気がして、ちょっと気になった。いつもああいうふうだったかなあ?)

日比谷公会堂のすこし古風な内装がまたとても似合っていて、箱庭的な、閉じられた宇宙という感じが強くしたな。



何がこんなにあがたさんに惹き付けられてしまうのだろうと考えていたのだけれども、あがたさんの音楽を聴いていると、「どこにでも行ける」と感じると同時に、でも本当は「どこにも行けない」のだと強く強く感じてしまうからなんじゃないかなと思った。
自分が立っている地面にむかって錨をおろす感じ、錨は深く深く沈んでいき、やがて地球の芯にたどりつきそうな、そんな感じ。
錨を深く下ろしているから、どんなに遠くをどんなにリアルに夢見ても、結局はどこへも行けない。でもここにいるからこそ、なんでも見ることができるのかもしれない。世界はこんなにも広く、輝きと闇を持ち、そして閉じられている。
豊かに広がる音に目がくらむような思いをするけれども、でもやっぱり、音にすら、そこに等身大のあがたさんを感じる。



あと、あの声が、やっぱりどうしようもなく好きだなあ。と強く強く思った。


幕のうしろに控えたタンゴの楽団(??)(バンドネオン×2 コントラバス ヴァイオリン)の登場にはぞぞっと鳥肌がたつくらいテンションがあがった。
ゲストで誰が出るのか把握せずに見ていたので、あとからあとからちょっとずつゲストが出て来て、最終的にム ーン ライダーズが全員揃ってしまったのに、ちょっと笑ってしまった。
K1さんの歌、かっこいい…
ティールギターの音ってすごくいいなあと思った。
蒲田行進曲からはじまる『噫無情(レ・ミゼラブル)』のコーナー、聴けてしあわせ
聞き慣れた音だからかもしれないけど、くじらさんのヴァイオリン、白井さんのギター、博文さんのベース、ああ、なんて特別な音だ。
アンコールからの加速度をつけた展開、「大道芸人」(泣ける…)から、楽団全員舞台にあがっての「大寒町」は、なんだかほんとうに、幸せだった!




さいしょのほう、最近の曲はよくわからなかったので、いとしの第六惑星以降のセットリストを備忘録的に。

いとしの第六惑星/誰が悲しみのバンドネオン/夜のレクエルド/清怨夜曲/沢尻エリカぶるぅ。?/蒲田行進曲/永遠のマドンナK/星のふる郷/上海リル/はいからはくち/小さな喫茶店/月曜日のK/最后のダンス・ステップ/リラのホテル/ウエディング・ソング/煙草路地/冬のサナトリウム/赤色エレジー海底二万哩パレード ?

アンコール/佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど/サブマリン

ダブルアンコール/星に願いを/大道芸人大寒


さいごは永遠の遠国の歌(?かな?)の演奏で出演者たちを送りだしていました。