黒バラ2

「知らない」ということを盾に、胸をえぐられるようなことを言われた。「知らないので教えてほしい」という言葉のあと、私がやった仕事を全否定される発言でばっさり斬りつけられたのだけれども。誰かを否定することで自分の無知を補ったつもりでいるんだな、このひとは、と上から目線で軽蔑することで苦い気持ちをかみつぶした。
ただ、知らないこと、に対して、誰しも鈍感になりがちなものであると思うから、同じようなことを、自分もやっているのかもしれない。




楽しみにしていたモーニング娘。出演の黒バラが今週も面白くて、バラエティを録画してこんなに何度も見るだなんて、ほんと久しぶりだ。「学校へいこう」以来?
アンジャッシュの児嶋さんがポンコツおじさんぶりを発揮していて、面白かった。児嶋さんといえば、最近はどこの番組でもよくいじめられて怒っている印象で、その様子にはある種の感動を覚える。
児嶋さんは、ちょっと前まではもっとおとなしい感じで、あまり発言しないけどなにか言えばそれがことごとくさえない(と、みんなから言われる)…というふうな、人となりがわりにぼんやりした感じのひとだったように思う。それがいつの頃からか、基本の人柄の印象としては同じなのだけれども、もっと駄目なところが強調されてデフォルメされて、わかりやすく伝わりやすく「面白くないことが面白い」というふうに個性が強まってきたんだなあと思う。単純に「俺の悪いとこ、もっとつっこんでくれていいよ」って、胸襟を開くというか、覚悟を決めたってだけのことなのかなと思うのだけれども、でもそれってすごいことだなあと感動してしまうのだ。だって「悪いところをつっこまれることを積極的に受け入れる」って、長年生きて、そろそろ「自分とは」なんてこと考えなくなってきているような年代にさしかかって、だけどそこでもう一度自分を深く見つめ直し、正直な姿を、醜さや汚さも含めて深く深く受け入れる作業をして初めてできることだからだ。児嶋さんはわりにベテランの芸人さんだと思うけれども、それだけの芸歴を経てなお、人は変化し、成長(?といっていいものかは、よくわからないけれども)していくことができるものなのだなと思う。

芸人さんにしても俳優さんにしても、もっといえば作家だって画家だってアイドルだって、自分に正直でなければひとを感動なんてさせられないのは同じだと思う。でも、テレビに出る芸人さん、特に最近の芸人さんたちは特に「正直である」という作業に対し、極端なほどに直接的なアプローチをしなければならなくなっているように思う。


ところで、今回の児嶋さんが面白かったくだりは、じっくりと何度も録画を眺めてみれば、後ろのほうでこっそり中居くんがけしかけてすべて始まっていることなのがわかる。中居君のけしかけを、さぐりさぐりである様子も見せながら、最終的には操り人形のごとく(先のプランもないようすで)ふらふらとすべて受け入れる児嶋さんが、ペーソスあふれる駄目人間ぽくて素敵だ。それをひきだす中居君も、とても素敵だなと思う。ジャニーズだから、スマップだから、スマップの中居君だからという立場があってこそ、できることだなとは思うけれども。