『それでもボクはやってない』『アウトレイジ』『BECK』

最近テレビで見た映画のこと。



それでもボクはやってない
淡々と、訴えたいことを訴えて続けている映画でした。ただ、痴漢冤罪ていうのは…とても難しい問題ですよね…。なんで痴漢するひとが、この世にはうようよいるんだろう。うようよ。
気になったのは、弁護士費用です。やり手弁護士事務所のひとを現場再現ビデオの撮影や駅でのビラ配りにまでかり出して、もたいまさこ演じるお母さんにそのお金払えるのかなととても心配になりました。




アウトレイジ
北野監督のヤクザ映画を見るのは初めてですが、『アキレスと亀』が興味深かったので見ました。これって…何を描いている映画なんだろう?そういえば『アキレスと亀』を見た時も同じこと思ったような。
「全員悪人」とかってコピーがついていたはずだけど、いや、これは悪人じゃなくて「全員小学生」ですよね。小学生がそのまま大人になってお金や武器をもっちゃうと大変なことになるよね、って、そんな感じのお話ですが、でも世の中こんな感じで動いている面もあるよなとか、そんなふうに考えていくと社会に対する痛烈な皮肉?とも思うし、全編ギャグだよねって捉えればその通りで、ずっとすっとぼけた馬鹿馬鹿しさが漂っていて、すごくおもしろい喜劇映画だなというふうにも思うし。
ただ、画面の美しさとか皮肉とかユーモアとか暴力シーンとか登場人物の顔とか傷跡とか包帯とか死に方とかが映画の中におさまっている、そのおさまったさまが綺麗というか……たたずまいが(うるさくない)綺麗な映画だなあと思いました。
一番の悪者は小日向さんじゃないのかな。小日向さん、かっこよかった。あの、身体の小ささが「こいつ悪いなあ」って感じさせられて。
途中何度か「ビヨンド」のCMが挟まっていて、メガネをかけたキレキレの加瀬亮がうっとりするほどかっこ怖くて「見たいなー」と思ったけど、でもこれ、映画館で見る自信はないなあ。閉ざされた空間、大画面でのこの暴力シーンは、見るのが辛いかも。



BECK
日本映画専門チャンネルで。
原作を好きで読んでいたので、映画化を知ったときは「そのキャストはないなー」とがっかりしたのを覚えていますが、そんなふうに思って申し訳なかったです。面白かったし、BECKのメンバー全員素敵だったし、映画化の意味のあった作品だなと思いました。なにより佐藤君のたたずまいがコユキだったのが、良かった。あくまでもあくまでも普通っぽくて、だけど彼は皮膚が薄い感じがして、そこから感情がぼろぼろとにじみ出てきそうで、とめどもない感じがして。そこが、鮮烈な印象を残すなあと思って。
話のはしょり方も原作を大事にしているのが伝わってきて良かったけど、でもこうして2時間にぎゅっと詰め込んだかたちで見てしまうと、原作を読んでいたときは気にならなかった「よく(うまく)できた話なんだなあ」ってことが目立つなあ。
有吉さんと、もたいまさこさん(超一瞬!)が出てきたとこでは、それぞれ吹き出しました。