松ケン

平清盛、怪作となってきました。登場人物たちの死に様の醜さに心を奪われてしまう。


ただ、「(ぼーっと見ていて)理解するのをとりこぼしてしまったか?」と思われる箇所がいくつかあり、そもそも私は、信西入道が目指した国造りというのがいまいちなんだったのかしっくりこず、その流れで信西亡き後の平清盛が何を目指したのかもうまく消化できず、清盛という人物を見る視点がぶれてしまった。

特に西光が相撲の節会の準備を頼んできたのを愚弄するがごとく断ったところとか、「あれ、清盛ってそんな人だった?いつの間に?」と、ちょっといまいち乗り切れなかったところがあったんですよね…

なんですが、松山ケンイチ君のお芝居はそんな疑問をふきとばしてくれるくらい、ここ終盤へきて狂気をはらんだ凄みがあり、ストーリー上でしっくりきていなかった点も、見てたらどうでもよくなってしまう。「そこからの眺め」のさいごでも、障子の穴からはしゃいだ顔で外をのぞく松ケン、怖かった。松ケンだけじゃないけど。出てくるひとたいがい、怖くて魅力的。

次回からはいよいよ本格的に平家が堕ちていくんですよね、きっと。ある意味、とても楽しみです。