中村彝 展

新宿歴史博物館 中村彝展 ‐下落合の画室‐

小さな展示だったけど中村彝の生涯における画業の変遷や苦悩のあとがコンパクトにおさめられていて見応えがありました。
最初のパトロン的存在であった中村屋創業者である相馬愛蔵(このお宅に下宿もしていたらしい)の、当時ミッションスクールに通っていたという長女の肖像画が2点ほどあり、1点は胸もとがだいぶあらわになったような絵なので「あらまあ…」とすこし不穏な気持ちでながめていたら、キャプションを読むとやはり長女との恋愛が元で相馬一家と確執があったとのこと。昔の芸術家は(昔に限らないかもしれないけど)生き方も絵も荒削りで不器用でシンプルに力強くて、面白いなあ。
長女の肖像はどちらも大変魅力的。強い瞳。そりゃ恋しちゃうだろう。中村彝よりだいぶ歳下だろうけど、絵に強い尊敬の念が感じられました。
新宿歴史博物館、庭もあるし、気持ちのよい場所でした。常設展も面白そう。