『図書館戦争』

図書館戦争』見ました。面白かった!
有川浩さんの作品、本は読んだことないし、映像化されているものも見るのはこれが初めてでしたが、ああ、そりゃベストセラー作家になるなあって胸にストンと落ちるものがありました。テーマが綺麗にわかりやすく貫かれた中に、ラブとか友情とか生活とか成長やなんやかやが無理なく軽やかに爽やかにおさまっていて。宣伝で岡田君が「てんこ盛り」って言葉をよく使ってたけど、「盛ってる」んじゃなくて、それらが絡み合って全部「図書館戦争」という物語なんですよね。たぶんきっと、原作の骨格が無理のないかたちで映画になってるのだろうなあと、原作未読な自分にも十分伝わるように思いました。

ただ、ベースは昔の少女漫画…ていうかラブコメ?調なのですが、ラブの部分が映画の最前面に出てくると、とたんに色々なところがむずがゆくなって困りました…私がラブコメにあまり免疫がないせい?みんなの前でほぼ痴話げんかのような状態だし。
で、これってツンデレなの?ツンもあるけど、でもむしろデレデレに見えた。事前に見た情報から、主人公二人は「お互いが好きってことに気づいていない」のかと思っていたけど、岡田君のほうは明らかに「好き」って意識してるし田中圭君もそれを知っているんですよね。バランスとして堂上教官の笠原への想いがもうすこし抑えられているほうが映画として気持ちよく見られるような気がしましたが、でもこれ、本で読むことを考えたら(読者の女の子が笠原に感情移入しながら読むことを想像するのならば)、堂上教官はこれくらいデレデレしていてくれたほうが読んでいて気持ちいいのだろうな、とは思いました。



些末なところですが、堂上教官、初対面の女子高生の頭をあんなにも執拗になでまわす(そのように私には見えた)なんて、正直なところ変態ぽいと思いました。本を書架に納めるときの手つきも、本を大事に取り扱っているってことなんだろうけど、大事にというよりは舐め回すかのごとくいやらしく触れている(ように見えた)のがそこはかとなく変で、で、まあ結局、全体的に見たら堂上教官は非常に面白い人物でした。かっこよくて王子様なのにザルのごとく抜けまくっている(上にたまに変態ぽい)。岡田君らしいのかなと思いました。