大神社展

東京国立博物館

神様だらけでした。
神様の木像を、それも女神像を間近で見たいという願望が昔からあって、見てきました。イメージの中の神様像に近かったのは9世紀頃のもの。でもこのあたりのものは仏像の表現に近いような気が。なんだけど、特に女神像は、仏像ぽいけどあからさまに女性ってとこが好き。それ以降になると、神様というよりももっと人間臭いっていうか、いやこれ、もう人間なのでしょう?って(お召し物が人間臭いせいもあるかも)、それはそれでまた面白くはあったけど。日本人にとっての神様って何なのかな(無知でわからない)。
多くのものが座像なのですが、下半身が非常にコンパクトに収まっているものが多く、シルエットが可愛らしいとこが素敵。あと仏像みたいな装飾的な衣文をほどこさず、いつの時代も比較的素朴な表現であるようなところも、非常にグッときました。
現存する最初期の神像、松尾大社の女神像の存在感。けっこう小顔。塗りも残っていて、色白な肌が伺える。強そう、厳しそう、怒ると猛々しそう、だけど心が大きそう。重量感のある色気。首のあたりの肉のつき方が好きだあー、こういうのが見たかったのだ。がっしりしながらもなめらかな肩と背中のラインも素敵。自分は、肉付きのいい、心の強そうな女の人の像や絵を見ることになにがしかの快感を覚えるんだけど、これって何なのかな。願望か。でも実生活で生身の肉付きのよい人を鑑賞したいって気持ちは特別にはないような気がするんだけど…
13世紀のものだけど、若狭神宮寺の小丹生之神 和加佐国比女神(女神座像)も素晴しかった。暖かく、けれど冷たい表情の、その繊細な描写。


裏まで回って背中まで見えるように配慮されている展示でした。