高嶋政伸

探偵はBarにいる

『アフタースクール』を見て(すごく面白かった!)大泉洋が素敵だったので、見てみました。舞台である北海道の景色がすごくよかった。雪に埋もれた小さな汚い路地とか、一面の雪景色の大地を走るポンコツ車とか、路面電車とか、北大とか。おとぎ話めいたお洒落なバーが、違和感無く存在する感じ。


高嶋政伸が頭のいかれたような敵役を演じていて、なんていうか…かっこよかった。かっこいいって言っちゃうと、だいぶ語弊があるけど。
しかし高嶋政伸って、なんなのだろうなあ?出てきた頃は妙に「いいひと」な雰囲気で売ってたけど(『HOTEL』のイメージです)、そして確かに「いいひとそう」に見えなくもないんだけど、どうがんばってもそこからはみだしちゃう気持ちの悪さが昔からあったなあと思って。ぬぼっと大きな身体に癖のある威圧感のある顔立ち、考えてみれば、希有な存在感だよなあ。出世作の『HOTEL』だって、あんなに長く続いたドラマで主人公の好青年を演じてたのに、自分のまわりで高嶋政伸が好きって言ってる女子、ただのひとりとして聞いたことなかったってのも、考えてみたらすごい才能かも。この『探偵はBarにいる』の中ではその妙な存在感が遺憾なく発揮されて、素晴しく気持ち悪くてかっこよかった。(いや、かっこいいって言っちゃうと語弊があるけど。)
お芝居を離れた本人のことを顧みてみても、並外れて陽気で仲良さそうな芸能一家の一員であることとか、離婚にまつわるワイドショー的なあれこれとか、このひとって何考えているんだか、いやひょっとしたら何ひとつまともには考えていないんじゃないかと思わされてしまうほどの浮世離れ感だなあと思ったり、あんまり深くは考えたくないけど、けど、考えれば考えるほどうっすら怖くて面白い人だなと思う。