美しいと思うこと

シャーロック・ホームズを演じるジェレミー・ブレットの何がいいのかなんて話は30年前にイギリスで放送が始まって以来(84年に始まったそうなので、ちょうど30年ですね)世界中至る所で散々、かつディープに語られてきたことだろうから、改めて触れるのもおこがましいし恥ずかしいんだけど。
でも書いちゃう。
とにかく美しい。なんて美しい生き物なんだろうと感銘を受けずにはいられないのです。もちろん、そもそもが顔立ちも体格も整ったとても美しい容姿のひとではあるのだけれども、でもそれ以上に、その身のこなしと表情と目の輝きと…いや、なにがどうとは分析できていないから細かくは言えないけど、とにかく全身から発せられるオーラが、「美しい」としかもう言いようがないなあと。
わざとらしいほど慇懃な動きだけど、体重を全く感じさせず猫のように軽くて敏捷で(大柄なひとなのに!)、この動きだけで、毎瞬毎瞬奇跡を見せられている気持ちになる。(この身の軽さ、優雅さは、森田君の踊りと通じるものがあるなあと思う、ちょっとだけ)
嫌みなほどに気障な物腰も、冷笑や不機嫌そうな顔も、そして陰鬱さも、だけどふとした瞬間の目の輝きに「このひとはなんて優しい瞳をしているんだろう」と思わされて、冷たい外側と、奥底にある熱い体温とのその配合がなんともいえずチャーミングで感動的で、不意をつかれたように、とても引き込まれてしまう。